怪談和尚の京都怪奇譚 積徳の旅編 三木大雲
京都の下京に実在する蓮久寺住職の三木大雲和尚の怪談説法、シリーズ7冊目です。
確か2冊目3冊目までは読んだことがあったのですが、しばらく怪談から離れているうちに7冊目とな。
なんとこちらの怪談和尚シリーズ、2023年には台湾語にも翻訳、出版されており、台湾でも講演を行われたそうです。
こちらは新刊なのでKindleで購入して読みました。
ご自身の体験と、檀家さんや和尚を頼って相談に来られた人のエピソード。どちらにしても実話怪談なのですね。
以下、感想に混じってぽやっとネタバレあるかもしれません。
今回、あらすじをパッと見て血だらけの白い犬の霊が…とあったので、気をつけて読まないとな〜と思っていたのですが、1話目がその話だったので仕方なく読みました。(動物の受難は苦手なのです)
幸い嫌な感じの怖いお話ではなかったのですが、苦手な方は1話目を飛ばしてくださいね。
そして3話目も、大切な家族と離れることになった方のお話なので(子供の受難は…)、苦手な方やトラウマのある方は飛ばされた方が良いかもしれません。
きっと癒えることのない、ある意味この世で一番怖い系統のお話なのです。
うっかり読んで悲しい気持ちになってしまった私みたいな人に、続く4話で救済してくださるのが心憎い配慮です。
また同巻別話の感想なのですが、誰しも一度は神頼みってしたことがあると思うのですが、頼んだからには見られていて(見守られている)、悪いことしたらそれも見られてると。最近これで痛い目にあったことがあったので、ものすごく納得しました💦
邪気を払うお守りを買ったら自分が祓われたのかなっていうね。もう、背筋が伸びる思いです。
私、徳積めてないよな。
今を大事にできてないかも。
人は何のために生まれてくるのかな。
常日頃は思考が及ばないようなことですが、怪談説法は嫌味なく語りかけてきます。
三木和尚のお話を知ってらっしゃる方には今更ですが、この方のお話は派手な恐怖体験!というのではなくて、怖い話や不思議な話を通して人生とは何かということを何度となく問いかけられます。
というのも、本当に大切なことを伝えるための入り口として、怪談説法というかたちをとっておられるそうです。
1冊目はまだ若い頃の話というのもあって生臭坊主な雰囲気の内容もあり賛否あったようですが、私は興味深く読ませていただきました。
実際にあった事件の被害者になっていたかもしれないという衝撃的なお話が話題を呼びましたね。
その後のお話はご自身のお立場とともに落ち着いてこられている印象です。
さて、こちら7巻の読後の感想をまとめるとですね。
何か、浮ついた気持ちで怪談を読もうとしていたところを見透かされたようで、恥ずかしさを覚えたというのが本当のところです。
いや、怪談を読んで恥いるというのは、真面目な話なかなかない経験です。
先人(幽霊さん)を通して、頭の中では分かってはいるのだけれど、命の儚さや大切さ、生きるということは当たり前に大変なことなので努力なしで継続することはできないのだなと、改めて考えさせていただきました。
終戦の日やお盆に相応しい内容の本を選び取ったものだなと。
続刊が出たらまた読ませていただきたいなと思います🌈
1、2、3巻まではKindle Unlimitedで読めます🙏✨