琉球奇譚 キリキザワイの怪のネタバレ感想です。小原猛さん著。
キリキザワイ?なんだろ。
そう思いながら読み進むと、終盤になってようやくキリキザワイの怪の話が出てきます。
ああ、なるほど。
木を切ることによって起こる災いがキリキザワイ。
それは沖縄以外の日本各地でも聞かれる怪で、御神木の伐採にまつわるお話でした。
とある礼を失する者が祟られ、最後はあっという間に。
それどころか、その御神木で作った物の持ち主までもが、偶然か必然かの微妙な確率で、、。
フィナーレは、沖縄といえば切っても切り離せない戦争を生き抜いた人たちの不思議な体験談で締めくくりです。
ほか、幽霊やキジムナーなど、沖縄の事件や伝承にまつわる怪談を味わいながら、人ではない相手に人の事情や融通は通じないということを改めて知らされます。
小原さんの琉球怪談、怖かったり不思議だったりするお話に散りばめられた沖縄言葉の口語文が大好きで、怖い話を読んでいるはずなのにゆっくりと和やかな時間が流れているような、味わいのある文章がクセになります。
忘れた頃にふとまた読み返したくなる、おすすめのシリーズです。
沖縄の言葉に妙に惹かれる私。今年は沖縄に行けそうにありません。悲しい。