ふるさとは岡山にありて怖きもの 読みました。
言わずと知れた、ぼっけぇ、きょうてぇの作者、岩井志麻子先生の8月新刊本です😊
上記作品の映画版を見た時はちょっと後悔しながらもしっかり最後まで見ましたよ💦
こちら、もっと小説めいた感じかな?と思っていたのですが、わりとしっかり実話怪談。夜中に読み始めたのをやはり後悔したのでした…
読み進むほど、じわりと重たくなっていく感じが秀逸です。さすが岩井先生。
普段は一気に読み切ってしまうのですが、あまり遅い時間に読むのは怖くなってしまったのと、何か妙な読み応えがあって何日かに分けて読みました。
以下、⚠️ネタバレ感想注意報⚠️
前書きなしで始まる、ふるさとは岡山にありし怖きもの。
第一話目はいきなり後味の悪いお話です。
怪談作家志望の彼に舞い込んだ淡い恋の予感と実話怪談のネタは江戸時代からあるという不気味な祠にまつわる不気味な謂れ。
何が本当かわからないまま突如終わりを迎えるのですが、ラストの1行がリアリティを掻き立てます。
いくつかの話の中に、ベストセラーになった幽霊にインタビューしてみたという本で書かれていたのと同じような幽霊の出現の仕方で興味深いです。いずれも女性の霊でしたし。
テレビ出演もされているから芸能界でも顔が広い岩井志麻子先生ならではの怖い話が面白く、0時を回ったから一旦読むのをやめなければ(色んな意味で)と思いつつ、止まらない〜💦
某アイドル女性の、ファンからのプレゼントの話!体調不良になっても、部屋に妙な気配を感じても、引っ越ししないのはさすがです。強い。「はいとこたえる怖い人」はそこで終わらず岩井先生の周辺にどんどん話が広がっていくのですが…めっちゃ怖い!という話じゃないのですが(不謹慎ながら面白い)、おすすめの話です。
全体的に、闇社会とまではいかないまでも、水商売だったり、生まれ育った家庭に難があったり、訳ありだったり、ちょっとヤンチャだったりと、そういう界隈の話が多いです。なのでみんなどこかぶっ飛んでる。
岩井志麻子先生もそのあたり心得ており、あえて核心には触れないのですが、答えは出ているんですね。
一見は普通に?生きている人間の闇がじわじわとこちら側に侵食してくる雰囲気が秀逸。と私は感じました。
喰い合う者、ひっそりと消える者。あー、これも結局は人怖い話だったかぁ💦強者に負けた人が幽霊になったからと言って、そう簡単には勝てないんよ…怖い話までリアルだなんて辛い。
3日かけて1話1話しっかり読み込んで、何かね、ずーんと沈みました。
うん。一部再掲のものもありますが、岩井志麻子先生の作品が好きな方は買いだと思います👍✨お値段以上のボリュームでしたわ。
ふるさとは岡山にありて怖きもの 岩井志麻子怪談掌編集の感想でした。